海を眺める静かな旅
電車の窓の外に、青い海が広がっていた。
どこまでも続く水平線と、
雲の少ない明るい空。
車内には、窓からやわらかな光が差し込んでいる。
淡い水色の浴衣を着た和風エルフは、
膝の上の黒猫をそっと抱えながら、
ただ静かに海を見つめていた。
言葉はない。
けれど、その横顔には、
遠くへ向かう旅の時間が流れているようだった。
黒猫もまた、
同じ景色を見ている。
海のきらめき。
窓枠に映る光。
電車の揺れ。
どれも特別な出来事ではないのに、
なぜか心に残る瞬間がある。
急ぐ旅ではなく、
何かを探す旅でもなく、
ただ景色の中に身を置くような時間。
外の世界は明るく、
車内は静かで、
その間にいる彼女と黒猫だけが、
少しだけ夢の中にいるように見えた。
海を眺めるだけの時間。
それは、何もしない時間ではなく、
心の中にある疲れを、
ゆっくりほどいていく時間なのかもしれない。
電車は今日も、海沿いを走っていく。
光を乗せて、
風を乗せて、
静かな旅の続きを運びながら。
ここまで読んでくれて、ありがとうございます
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