2026年5月26日火曜日

夕陽の鳥居と白い猫

夕陽の鳥居と白い猫

赤い花が、丘いっぱいに咲いていました。

夕陽は海のむこうへ沈みかけ、
空も、雲も、石段も、
少しずつ金色に染まっていきます。

その丘の上には、古い神社がありました。

朱色の鳥居は、
長い時間を風にさらされながら、
それでも静かに立っていました。

花びらが風に舞います。

巫女さんは、
手のひらに落ちてきた赤い花びらを、
そっと見つめていました。

何かを願うわけでもなく、
何かを忘れようとするわけでもなく、
ただ、その一枚を受け止めているようでした。

そのとき、鳥居の下に、
一匹の白い猫が座っていました。

夕陽を浴びた白い毛は、
ほんの少しだけ金色に光って見えます。

猫は鳴きません。

走りもしません。

まるで、この神社の時間を守っているように、
石段のそばで静かにこちらを見ていました。

赤い花の丘。
古い鳥居。
夕暮れの海。
そして、白い猫。

どれも大きな出来事ではないのに、
その景色の中には、
不思議と物語のはじまりのような空気がありました。

もしかすると、
この猫はずっと昔から、
ここへ来る人たちを見守ってきたのかもしれません。

うれしい日も、
さみしい日も、
何も言わずに、ただそこにいてくれる。

そういう存在がいるだけで、
人は少しだけ安心できるのだと思います。

夕陽がさらに低くなると、
赤い花びらがもう一度、風に舞いました。

巫女さんは顔を上げ、
鳥居の下の白い猫を見つめます。

白い猫は、
まるで「大丈夫」と言うように、
静かにそこに座っていました。

この一枚は、
ただ美しいだけではなく、
見ている人の心に、
小さな祈りのようなものを残してくれる画像だと思います。


ここまで読んでくれて、ありがとうございます

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