2026年4月1日水曜日

時の澱(よどみ)に佇む、白き面(おもて)の主

舞い終わった巫女

かつて多くの信仰を集めたであろう、古びた神社の石段。

苔むした灯籠が静かに並び、朽ちかけた木々の間から、清冽な月光が差し込む。
その光の柱に包まれるように、一人の女性が佇んでいた。

彼女が身に纏うのは、汚れなき白の装束。

そしてその手には、白く、静寂を湛えた能面。

踊り終えたのか、それとも、これから舞い始めるのか。

彼女はゆっくりと面を外し、遠くを見つめる。

その横顔は、この世の者とは思えないほど美しく、そしてどこか物憂げだ。

風が、彼女の袖を静かに揺らす。

ここは、現実と常世(とこよ)の境界。

時の流れから取り残されたかのような、幽玄の世界が、そこにはあった。

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