この音は、雲の上から世界を震わせる
雲の上に、城があった。
現実から切り離されたようなその場所で、
ひとつの音が鳴る。
三味線の一音。
けれどそれは、ただの音じゃなかった。
光となり、波となり、
空を揺らし、雲を割り、
どこまでも広がっていく。
届くはずのない距離へ、
届くはずのない誰かへ。
それでも、この音は止まらない。
強く、美しく、
まるで世界に刻みつけるように。
やがて最後の一音が響いた瞬間、
空から光が降りた。
選ばれたように、導かれたように。
その姿はもう、ただの人ではなくて。
雲の上で、音は神になる。
そしてきっと、
その余韻は今も、どこかで誰かの心を震わせている。
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