空がゆっくりと色を変えていく。
橙が溶けて、青に沈んでいく、そのわずかなあいだ。
町はいつも通りの顔をしている。
遠くまで広がる灯り、何も知らない日常の流れ。
その上で、彼女はひとり座っている。
風に揺れる黒髪をそのままにして、ただ静かに。
手の中には、冷たいクナイ。
それはこれから始まる時間の、確かな重さ。
少しだけ、悲しそうな表情。
でも、それは迷いじゃない。
決めてしまった人間だけが持つ、静かな覚悟。
目にはほんのわずかな光。
人ではない何かを感じさせるほど小さな違和感。
それでも、その横顔はあまりにも人間らしくて。
何かを守るためなのか。
それとも、何かを終わらせるためなのか。
答えはもう、彼女の中にある。
ただこの時間だけが、やさしく伸びている。
戦いが始まる、その直前まで。
夕暮れはいつも、少しだけやさしい。
そして少しだけ、残酷だ。
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