竹取物語のかぐや姫をイメージして作りました
蒼い夜が、すべてを塗りつぶしていく。
竹林を抜ける風の音さえも、今は遠い世界の出来事のように。
目の前で淡く輝く一本の竹は、私がこの世界で過ごした日々の終着点であり、
月の都へと続く、光の階段の入り口だった。
一歩、また一歩と光の中へ足を踏み入れるたび、
私の指先から、足元から、
この地で育んだ温かな感情が、光の粒子となって月光へ溶け出していく。
見上げた空には、冷たくも慈愛に満ちた満月。
あちらへ戻れば、この胸を締め付ける「寂しさ」も、
誰かを想って流した「涙」の熱さも、すべて忘れてしまうのだろうか。
振り返った横顔に、わずかな未練が影を落とす。
けれど、月からの光の筋は、もう私を離さない。
私は今、光の道を行く。
物語が静かに幕を閉じる、その「途中の瞬間」を抱きしめながら。
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