仕事帰りにいつものスーパーへ。
野菜売り場でレタスを見ていると、店員さんの視線を感じました。
ふと顔を上げると、緑のエプロンをつけた店員さんが少しだけ怒ったような顔をしています。
「……あの、お客様」
少しだけ厳しい声で呼び止められました。
「はい?」
「さっきからレタス、3回も持っては戻してますよね」
言われてみれば、確かに。
大きさを比べたり、葉っぱの感じを見たりして、何度も戻していました。
「すみません、どれがいいか迷ってて…」
そう言うと、彼女は少し呆れたようにため息をつきました。
「そんなに悩むものじゃないですよ」
そう言いながら、ひとつのレタスを手に取ります。
「はい、これ。今日一番いいやつです」
差し出されたレタスを受け取りながら思わず聞きました。
「そんなにすぐ分かるんですか?」
すると彼女は少し得意そうな顔で言いました。
「毎日見てますから」
さっきまで少し怒っていたはずなのに、
その表情にはどこか仕事への誇りが見えました。
「じゃあ、それ買います」
そう言うと、彼女は少しだけ頬を緩めて言いました。
「ありがとうございます。次は一回で決めてくださいね」
その言葉に思わず笑ってしまいました。
レタスひとつの出来事。
でも、なんだか少しだけ記憶に残る買い物になりました。
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