2026年3月10日火曜日
少し元気のない保育士さんとの、静かな会話
保育園の前を通りかかったとき、
ふと一人の保育士さんの姿が目に入った。
子どもたちの声はいつも通り元気なのに、
その保育士さんだけは少しだけ静かな表情をしていた。
「こんにちは」
声をかけると、
少し驚いたようにこちらを見て、
やさしく小さく笑った。
「こんにちは」
いつもならもっと明るい声なのかもしれない。
そんな気がした。
「今日は少し疲れてますか?」
思わずそう聞いてしまう。
すると保育士さんは、
少しだけ困ったように笑った。
「ちょっとだけ…ですね」
遠くで子どもたちが走り回っている。
その様子を見ながら彼女は続けた。
「子どもたちは元気すぎるくらい元気なんですけど…」
「それはいいことですね」
そう言うと、
保育士さんはゆっくりうなずいた。
「はい。本当は、それだけで十分なんですけどね」
少しだけ空を見上げる。
「でも、たまにちょっとだけ疲れちゃう日もあります」
その言葉は、
とても正直で、
無理に明るくしようとしていない感じがした。
「そんな日もありますよ」
そう言うと、
彼女は少しだけ安心したように笑った。
「ありがとうございます」
そのとき、遠くから
「先生ー!」と子どもの声が聞こえる。
「あ、呼ばれてしまいました」
今度は少しだけ元気な笑顔だった。
「それじゃあ、行ってきますね」
そう言って小さく手を振ると、
子どもたちの方へ歩いていった。
さっきより、ほんの少しだけ
元気そうに見えた気がした。
もしかすると、
ほんの少しの会話でも、
人の気持ちは少しだけ軽くなるのかもしれない。
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