雪が静かに降り続く冬の日。
白く染まった景色の中で、ふと目に入ったのは、雪の中で優しく微笑む女性だった。
「寒くないんですか?」
思わずそう声をかけてしまった。
彼女は少しだけ笑って、空から舞い落ちる雪を見上げた。
「寒いですよ。でも、雪の日って少し特別な感じがしませんか?」
確かにそうかもしれない。
街の音も少し静かになり、世界がゆっくり動いているように感じる。
「確かに、いつもより時間がゆっくり流れている気がします。」
そう言うと、彼女はまた柔らかく微笑んだ。
「こういう日は、少し立ち止まって景色を見るのもいいですよ。」
「普段は気づかないことに、気づけるかもしれません。」
白い雪景色の中で交わした、ほんの短い会話。
でもその時間は、不思議と心を温かくしてくれた。
雪の中で微笑んでいた彼女の姿は、まるで冬の景色の一部のように静かで、美しかった。
そして帰り道、私はふと思った。
たまにはこうして立ち止まり、季節の景色を感じる時間も悪くないのかもしれない、と。
雪は相変わらず静かに降り続いていた。
けれど、その景色はさっきまでより、少しだけ優しく見えた気がした。
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