2026年3月13日金曜日

少しだけ悲しそうな先生と、教室の静かな会話


教室の前に立っている先生は、いつもの笑顔ではなく、どこか少しだけ寂しそうな表情をしていました。

思わず、声をかけてみたくなります。

「先生、どうしたんですか?」

そう聞くと、先生は少し驚いたような顔をして、それから小さく笑いました。

「そんなに分かりやすい顔してましたか?」

「ちょっとだけ、です。」

先生は手に持っていたバインダーを胸の前でぎゅっと抱えながら、教室の後ろを見ました。
そこでは生徒たちが静かにノートを書いています。

「今日はね、ある生徒に少しきつく言いすぎちゃったかなって思ってるんです。」

「先生でもそんなこと考えるんですね。」

そう言うと、先生は少し困ったように笑いました。

「先生だって人ですから。帰ってから『ああ言えばよかったかな』って考えること、結構あるんですよ。」

少しだけ沈黙が流れました。

でもそのあと、先生はふっと優しい表情に戻りました。

「でもね、明日またちゃんと話してみます。」

「それが学校のいいところなんです。毎日、やり直すチャンスがあるから。」

その言葉を聞くと、不思議と教室の空気が少しだけ温かくなった気がしました。

窓から入る午後の光の中で、
先生はまた少しだけ、いつもの笑顔に近づいているようでした。

0 件のコメント:

コメントを投稿