2026年3月9日月曜日

工場の休憩時間、笑顔の彼女と少しだけ話した午後


工場の機械音が少しだけ落ち着く、休憩時間。
ふと顔を上げると、ヘルメットをかぶった彼女がこちらを見て笑っていた。

「今日、忙しいですね」
彼女はレンチを持ったまま、軽く肩をすくめる。

「そうですね。さっきから機械が止まらないですね」
そう答えると、彼女は少しだけ笑った。

「でも、こういう日って時間が過ぎるの早くないですか?」

確かにそうだ。
気がつけばもう昼を過ぎている。

「たしかに。忙しいほうがいいかもしれませんね」

そう言うと、彼女はうなずきながら工具を軽く回した。
まるで慣れた仕草のように。

「最初はこのレンチも重く感じたんですけどね」
「今はもう、相棒みたいな感じです」

そう言って笑う顔は、仕事の疲れを忘れさせるくらい明るい。

工場の機械音の中で、ほんの数分の会話。

でも、こういう何気ない時間が、
意外と一日の中で一番心に残ったりする。

「そろそろ戻りますか」

彼女がそう言ってヘルメットを軽く直す。

「ですね、またあとで」

そうしてまた、それぞれの持ち場へ。

工場の音の中で、彼女の笑顔だけが少しだけ印象に残っていた。

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