2026年3月26日木曜日

静寂の中で、星を宿す瞳


夜は、音を失ったように静かだった。

何もないはずの空間に、ただ淡く、光の粒子だけが漂っている。
それはまるで、時間そのものがゆっくりと溶けているかのようで。

その中心に、彼女はいた。

白いドレスは闇に溶けることなく、やわらかな光をまとい、
透き通るような肌は、触れれば消えてしまいそうなほど儚い。

長い髪は静かに広がり、わずかな光を受けて、
夜の中にかすかな輪郭を描いている。

彼女は、ただこちらを見つめている。

感情を強く表すわけでもなく、
けれど決して冷たくはない、穏やかで深い存在感。

その瞳の奥には、小さな星が宿っていた。

瞬くほどでもない、けれど確かにそこにある光。
見ているうちに、こちらの心の奥まで静かに触れてくるような、不思議な輝き。

周囲に漂う光の粒子は、彼女を包み込みながら、
境界を曖昧にしていく。

どこからが空気で、どこからが彼女なのか。

その境目すら、やさしく溶けていく。

ただひとつ確かなのは、
この静寂の中で、彼女が確かに存在しているということだけだった。

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